- 重い荷物を持ってドアを開けるのが大変。
- 引き戸の方が使いやすいけど、音漏れや性能が悪くなるって聞いた。
- 引き戸は子どもが手を挟みそうで心配。
引き戸は開閉がラク。最近は高性能住宅も増え、ドアを開けっ放しにしている家も多いです。
引き戸の人気はどんどん高まっているよ。
しかし開き戸に比べて遮音性や断熱性能が悪い、手を挟んでケガをしそうなど、デメリットも耳にします。
それでも、私は可能なら引き戸にするのをオススメします。
一条工務店で新築を建てて、そろそろ3年になります。実際に住んで、私自身、ここのドアは失敗したなと思うところも。
ドア選びって難しいよね。
- 開き戸と引き戸の違い、断熱性や遮音性は?
- 開き戸と引き戸のおすすめ場所
- ドアで手を挟む事故の実際と対策
この記事では、実際に新築から2年以上住んで思った、開き戸と引き戸の使い勝手も紹介します。
データ上の数字に惑わされず、日頃の使い勝手を1番に考えてドアを選びましょう。
一条工務店の玄関ドア紹介記事はこちら
開き戸と引き戸の違いとメリット、デメリット
開き戸は蝶番(ちょうつがい)という金具を軸に、ドアノブを使って手前と奥に開閉するドア。
そして今回おすすめしている引き戸は横にスライドさせて開閉するドアです。
まずは開き戸と引き戸のメリットとデメリットから解説していきます。
開き戸のメリット
開き戸のメリットは性能とデザイン性です。それぞれ紹介します。
断熱性と気密性が高い
開き戸は引き戸に比べて分厚く、すき間の少ないドアが多いです。
一条工務店でも、以前は性能が保証できないからと、開き戸だけしか玄関ドアを使えませんでした。
しかし最近になって引き戸の性能も向上し、採用可能となりました。
防犯性能が高い
開き戸はすき間が少なく、無理矢理開けるのが難しいため、防犯性が高いと言われています。
また一条工務店のドアの鍵は電子錠やディンプルキーなど、防犯性能の高いものが使われています。
一条工務店の防犯意識は高く、窓も防犯仕様です。
一条工務店の窓の性能をまとめた記事も参考にしてください。
デザインが豊富
引き戸に比べて開き戸の方がデザインが多いです。室内ドアでは選択肢は少ないですが、玄関ドアではデザインの種類に差があります。
外観にこだわりたいなら開き戸がおすすめです。
遮音性が高い
引き戸に比べてすき間が少ないため、音漏れが少ないです。
とくにトイレでは音を気にして引き戸をやめる人が多いです。
しかし、実際に使ってみると、生活の中ではドアによる遮音性の差は、ほとんど感じません。
廊下で人に衝突する可能性がある
開くドアの向きを廊下方向にすると、開けたときに人と衝突する可能性があります。
開き戸を採用する場所は、開く方向に注意しましょう。
開き戸のデメリット
次は開き戸のデメリットについて紹介します。主なデメリットは使い勝手の悪さです。
ドアの開閉が大変
開き戸はドアノブをひねって前後に開きます。
そのため自分も移動する必要があり、手で左右に引っ張るだけの引き戸に比べて手間があります。
特に玄関ドアのように、高性能なドアは重いものが多く、荷物を持ちながら片手で開けるのが大変だったり。
開けっ放しにできない
開き戸が開けたままにすると場所をとるため、通路が狭くなり不便です。
また、高性能住宅ではエアコン1台で1階すべての空調管理をする家が多いです。
しかしドアを閉めているとうまく空調管理ができないため、開けたままにできる引き戸が人気。
ドアの開閉する場所に物を置けない
引き戸ではドアを引き込む壁が必要になりますが、開き戸は開閉するスペースに物がおけません。
とくに子ども部屋や書斎など、部屋が狭いと実際に使えるスペースが減ってしまうため、物が思ったより置けないなんてことも。
間取り作成時に、ドアの開き方はよく考えておきましょう。
引き戸のメリット
次に引き戸のメリットを紹介していきます。引き戸のメリットは使い勝手の良さだけではありません。
開けたままでも邪魔にならない
よく通る場所は絶対に引き戸をおすすめします。引き戸なら開けたままにしても邪魔にならず、ドアの開閉でストレスを感じません。
家事動線など、よく通る場所は引き戸にしておきましょう。
光熱費の節約になる
冷暖房や加湿器、除湿器、空気清浄機など、季節に合わせて家電はかならず使います。
一条工務店の場合、うるケアやさらぽかなど、オプションをうまく採用すると家電の少ない生活ができます。
もし開き戸でドアを閉め切っていたら、せっかくエアコンを使っても、別の部屋や廊下の空調を管理できません。
家中を快適にするためにはドアが不要です。ドアなしや邪魔にならない引き戸を開けっ放しにすると良いでしょう。
結果、温度差が減り、快適なだけでなく光熱費の節約にもなります。
太陽光発電と蓄電池で電気代は賃貸と雲泥の差。売電が買電を上回っています。
参考にしたい人は一条工務店に住んでからの電気代の実例をみてください。
子ども部屋を将来的に分けられる
- 子どもが何人できるかわからない
- 小さいうちは2部屋を1つにして大きく使いたい
その場合、真ん中を引き戸で仕切っておけば、将来的にドアを閉めるだけで2部屋に分けられます。
引き戸の仕切りは、壁に比べて音や明かりが漏れるため注意してください。
部屋が広く見える
ドアを開けっ放しにすると奥行ができます。また視野も広がるため、坪数は少なくても家の中が広く見えます。
ロボット掃除機が使いやすい
最近は時短家事でロボット掃除機が人気です。
私もルンバを購入しました。
もしロボット掃除機を使うなら、引き戸でドアを開けておくときれいにできます。
しかし開き戸だと、開けっ放しにしたとき、通路に出っ張りができます。その部分はロボット掃除機ではきれいに掃除ができません。
ルンバが通る道はちゃんと確保してね。
足の小指をケガしない
開き戸ではドア下の角に足の指が挟まります(私はよく当たります)。
私の息子も足を挟んで出血するほどのケガをしたことがあり、注意してください。
しかし引き戸ではスライドするだけなので、自分は動く必要がありません。つまり、足にドアが当たりません。
子どもの指は小さいから、挟まると大けがの原因になるので気をつけて。
湿気がこもりにくい
引き戸は開き戸に比べてすき間が多いドアだと説明しました。
しかし、すき間のおかげで、室内の湿気や熱がこもりにくいメリットもあります。
引き戸のデメリット
引き戸のデメリットはドアの性能面がほとんどです。ほかにも、開き戸に比べて費用が高くなる面もあります。
壁が少なくなり、物を置けない
引き戸はドアを引き込む壁も考えないといけません。
- 写真やかざりつけをする
- 家具や家電を置く
- コンセントを設置するなど
何もない壁は家の中に必要です。引き戸しか使わないと、有効活用できる壁がなくなります。
私は誕生日の飾り付けをする壁が狭くなってしまいました。実際にどこで何をするのか想像しながら家づくりすることが大切です。
開き戸に比べて音漏れがする
引き戸はすき間が多く、開き戸に比べて遮音性が悪いと言われています。これは事実です。
でも実際に住んでから違いを感じないかな。
防音室にする、あるいは物理的な距離を離すなど、具体的な対策をしているならともかく、ドアの種類を変えた程度では、実感できるほどの差はでません。
私の主寝室はリビングとの間に開き戸を2枚つかっています。
もちろん1枚よりは音漏れが少ないが、リビングのテレビの音は普通に聞こえてきます。
トイレの音も気にして開き戸にしたが、子どものトイレの音は聞こえます。
我が家の場合は、トイレとの間にもう1枚引き戸があるので、それを閉めるとほとんど聞こえません。
音漏れはドアの種類以外での対策を考えましょう。
断熱性能が悪くなる
これも事実です。現に私が契約した一条工務店では、玄関ドアに引き戸は採用できませんでした。
引き戸だと断熱性能が保証されなかったからです。
しかし最新の引き戸では断熱性能が向上し、一条工務店でも玄関ドアに引き戸を採用できるようになりました。
実際に使ったドアの感想
ここからは一条工務店に住んで、実際に生活して感じたドアの感想を紹介します。
レールのない引き戸で掃除がラクになった
一条工務店の引き戸は上吊り引き戸です。上吊り引き戸のレールは上だけで、床はすっきりしています。
そのため、ホコリはたまらず掃除がラクです。
一条工務店の引き戸は、子どもでも簡単に開閉できる
一条工務店の上吊り引き戸は、下にレールがないためドアが軽いです。
下にレールがあるとドアの開閉は重くなる傾向にあります。
またソフトクローズ機能がついているため、強めにドアを閉めても、最後はゆっくり閉まります。
勢いをつけて閉めるとソフトクローズが故障することがあり、注意してください。
実際に住んだら、引き戸の音漏れは気にならなかった
「引き戸でも音漏れがなく問題なかった」というわけではありません。
引き戸も開き戸も、音漏れに差を感じなかったが正解です。
間取りや生活環境で音が気になるのか変わります。
ドアの音漏れを気にするなら、例えばトイレは人が集まらない場所に設置しようなど、間取りを工夫しましょう。
ドアは遮音性よりも、その場所での使い勝手で選べば良いと思います。
断熱性を気にするのは、玄関ドアだけでいい
玄関は外気と触れるため、性能が悪いと室内に及ぼす影響が大きく、室内を快適に保てません。
しかし、それ以外の室内ドアでは断熱性能を気にする必要はありません。
むしろ一条工務店のような高性能住宅では、ドアの開けっ放しは普通。閉め切ると室内は暑くなりやすいため、すき間の多い引き戸の方が恩恵が大きいです。
開き戸の開けっ放しは邪魔
これは主寝室へ行く通路の画像です。手前に折れ戸、奥に開き戸が開けたままになっています。
空調管理のため、普段は開き戸でも開けっ放しですが通路が狭いです。
子どもの腕が取手にぶつかり、ケガをすることがありました。
折れ戸も同様に出っ張りがあるため、開けっ放しは引き戸が1番良いです。
さらに、開き戸をあけたままにすると、開けたドアに下のスペースはルンバが掃除できず。ホコリがたまります。
間取り上できませんでしたが、可能なら全部引き戸にしたかったです。
玄関の開き戸が重くて、強風のときに危ない
玄関はプロノーバの開き戸です。
性能は高いドアで満足していますが、風の強い方向に玄関を作ったため、強風の時はドアが重いです。
風が強いと子どもでは流されてしまい危ない。
開き戸を使うのにオススメの場所
開き戸は開けっ放しの難しいドアです。そのため、開けたたまにしない場所やドアの開閉で物がぶつからない場所におすすめです。
一条工務店の場合、ハイドアを採用する場所も開き戸になります。
- 主寝室
- トイレ
- 書斎
- ウォークインクローゼットなど
主に音をできるだけ遮りたい、独立した空間にしたい、収納で普段開けっ放しにしない場所。
トイレのドアで悩んでいる人は、トイレの解説記事を参考にしてください。
引き戸を使うのにオススメの場所
引き戸は開き戸とは逆で、開けっ放しにする場所に設置しましょう。
- 水周り
- ウォークスルークローゼット
- LDK
- よく使う収納など
よく使う場所なのに、ドアをいちいち開閉するのは結構ストレス。
収納でドアがないのは嫌なんだけど。人に見えちゃうじゃん。
来客の多い家では見えないように工夫してもいいけど、うちはお客さんなんて滅多にこないよ。
それでも来ることあるし。
その場合は、引き戸やロールカーテンを使えばいいと思うよ。
収納は普段開放し、必要なときだけ隠せるロールカーテンもおすすめ。
ちなみに老後のバリアフリーでは、使いやすい引き戸が好まれています。
引き戸の方が価格が高い傾向
一条工務店では引き戸も開き戸も標準仕様なので、好きなドアを設置できますが、標準でなければ、引き戸の方がコストはかかります。
引き戸はレールや引き込む壁部分の施工に費用がかかります。
また、一条工務店の場合は折れ戸も選択できます。
しかし、折れ戸は標準で2か所と設置数が決まっているため、好きなだけ採用することはできません。
折れ戸も開けっ放しにすると、通路にでっぱるため、通行の邪魔になります。
手を挟んでケガをするのは引き戸のせいじゃない
ドアの種類を考えるときに、気になるのが子どものケガです。「もしドアに指を挟まれてケガをしたら」と考えた親は多いはず。
そこで、ドアのケガに関する調査を見つけたのでまとめておきます。以下、平成28年に東京都で調査したデータを参考にしています。
玄関ドアの開き戸採用率は94.6%、引き戸で5%でした。
指はさみ対策は90%の人がしていません。
室内ドアの採用率は開き戸76.2%、引き戸22.4%。
室内ドアも88.7%の人が指はさみ対策をしてなかったよ。
心配しているわりに、対策している人が少ない印象だった。
そして小学生1~2年生が実際に指を挟んだ割合は32.6%です。
中には骨折を含め、ケガをした子どもが11.4%。
子どものケガは2歳が最も多く、8歳以降で減少する。つまり、8歳以上の子どもがいる家庭では、ドアの指はさみ対策は不要。
ケガが心配なら、指はさみ対策グッズを使いましょう。
指はさみ対策グッズの紹介
調べると、ドアクローザー機能のついているドアでもケガをしている子どもがいます。ゆっくり閉まるからと安心はできません。
大人でもケガをするので、指はさみ対策も紹介しておきます。
開き戸は粘着テープだけでカバーを取り付けられます。今日粘着が気になる場合は、粘着部分の少ない賃貸用でもいいと思います。
引き戸の場合、一条工務店ならソフトクローズ機能が優秀なため、ドアで手を挟むことは少ないです。
しかし、取手部分と一緒に壁に引き込まれて挟むことがあります。
その場合は、完全に閉まらないよう、レールの奥にクッション材を設置しておくと、ドアが途中で止まるのでケガ防止になります。
他にトイレットペーパーの芯を設置している人もいました。
気にしすぎる必要はありませんが、子どもが小さいか、どうしても対策しておきたい人は指はさみ対策グッズを使いましょう。